昭和 62年 10月13日(火曜日)

男のファースティング <7>

 健康道場でたくさんの仲間ができた。何人かにその後″をきいてみた。

 森崎芳子さん(56)(兵庫県姫路市、会社員)

 「四回目でした。3回目までは、体重が元に戻ったらいつでもはいれるという気持ちがあったが、こんどは正念を入れ、帰ってからも毎朝体重を測り、カロリーも計算しています。そのうち写真を送りますから期待しててね」

 倉田光一さん(39)(横浜市、舞台業)「座禅の精神的効果がとくにあったと思う」

 土井信子さん(56)(大阪市住吉区、料理学校経営)「職業柄、味見などしているので太りやすく、ストレスがたまりやすい性格でしたが、4回目の今年、最高に体調がよく、ストレスとも上手に付き合えるようになってみたい」

 増田敏雄さん(43)(兵庫県西脇市、自営業)「心身ともに快調です」

 六車博美さん(56)(東京都、会社社長)「太めの人を見ると、だれかれなしに道場を勧めています」

 林笙子さん(46)(東京都、主婦)「いやがる息子2人を体質改善のため無理やり連れてきましたが、息子たちは食べることに興味を持つようになり、私も塩辛いものが好きだった食生活を改めることができました。」

 M子さん(17)(大阪市大淀区、高校2年)「帰って3日目にケーキをムシャムシャ、それからはこわくて体重を測ってません」

 大橋隆さん(70)(高知市、ホテル経営)「ちょっと食べすぎたと思ったら、一食抜くなどコントロールするのがうまくなった」

 石田昌男さん(49)(京都府亀岡市、短大職員)「胃の調子が良くなり、血圧も家でのミニ・ファースティングでさらによくなった。食べ物がおいしく、ありがたさを感じています」

 Y子さん(24)(奈良県広陵町、OL)「退所したその週末に体重が元へ戻ってしまいました」

 北村哲男さん(49)(東京都、弁護士)「6回目。出てからも海外や全国をかけ回っていますが調子はよろしい。そろそろ忘年会シーズン。後戻りしないという自信はない」

 山田敦雄さん(43)(大阪府貝塚市、会社員)「172a、120`あったのが、退所時120`、家で3回ミニ・ファースティングをして、107`。3年以内に標準の65`にするのが目標。高かった血圧も改善されました」

 山元大介さん(48)(大阪府泉南市、プロ司会者)「人さん(道場の)の助けをかりて禁煙ができました」

 連載中、あちこちから健康道場に関して問い合わせを受けた。あらためて、案内しておくと、まず、電話(0799−33−0525)をされるのが一番いい。やせ形の糖尿病などファースティングになじまない病気があり、それらはこの電話のさいチェックされる。料金は1日1人5700円(7人部屋)から13200円(特別室)まで5段階あり、このほか検査料が11800円。4人部屋(7000円)で16日(15泊)の標準コースの場合、計12万6800円となる。

 退所後のアフターケアーについては、卒業生の友の会のジャパン・ファースティング・クラブ(JFC)が中心になって活動しており、道場内に事務局がある。

 ファースティングに情熱を燃やす笹田信五道場長(39)は、最近出した「健康医学ファースティング」(人文書院刊)でこう書いている。

 <脳卒中や心筋梗塞を起こす前に、成人病のチェックとコントロールをしなければならないように、元気なときに一度立ち止まり自分自身を見つめ、春の息吹を、秋のすがすがしさを、忘れていた少年や少女の日のときめきをもう一度経験していただきたい。このような機会をつくることは、臨床医としての私の役目ではないのかという考えがファースティングの完成へと私を向かわせたものでありました>

 この本は、道場開設以来5年余の全臨床記録の集約で、新しい健康医学の啓発の書であり、医博・笹田道場長の処女出版であもある。その出版祝賀会が24日夕、神戸・生田神社会館で催されるが、仲間たちは連絡をとり合ってその日を楽しみにしている。祝賀会はアルコール抜き、おかゆとフルーツのパーティーになるはずである。

(おわり)