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神戸新聞 平成7年10月12日(木)
インタビュー 再生に向けて
心の復興 「生かされてる」原点に 心と体の調和導く”呼吸法”
絶食療法で知られる淡路島の「五色県民健康村健康道場」。その道場長を務める内科医、笹田信五さん(47)が、被災者の人たちを対象に「心の復興」をテーマにした勉強会を続けている。
物の時代から心の時代へ。価値観の転換が言われる、その最中で起きた震災。「『生かされてる』という原点に戻ることが、心の安らぎにつながる」と訴え、同
時に心身医学の立場から独自の呼吸法を呼び掛ける。震災から九カ月。緊張の糸が緩むなか、あらためて指摘される心の問題を聞いた。
--なぜ、今「心の復興」を
震災直後は、人間中心の復興へ向け、さまざまな理念や提案が語られた。それがだんだん論議の重点が「物中心の復興」に移り、最近では、その物の復興す
ら、満足にかなわない状況が出てきた。少しでも前より良くなる、という希望があれば人は頑張れる。でも、どんなに頑張っても前の状態にすら戻れない、とい
うのでは、あまりにもつらく、悲しすぎる。百パーセント不幸ばかりの大震災だったが、もし「心の時代」への出発点にできれば、ささやかであれ一つの慰めに
なるのではと・・
--笹田さんの訴える「心の時代」とは。
一人一人が本当の自分を生きようとする、それぞれの「自分の山」を登ろうとする時代です。
元気な時も病気の時も、若い時も年とった時も、幸せな時も困難な時も、状況は時によって変わる。でも、どんな状況でも、本当の自分を生きようとする姿勢が、本当の意味でハッピーな生き方ではないだろうか。
--震災が、そうした時代への出発点になりえると。
でなければ悲しすぎるというのが私の思い。震災では確かに多くのものを一挙に失った。人の命、もの、仕事。そして社会とのつながり、これまでの社会での
評価や位置づけをなくした人もいる。本当に不幸なことなんだが、しかし今生きている人にとっては、命は生かされた。この「生かされてる」という原点に戻っ
て、医学的にお手伝いができればと。
--勉強会で訴える「生かされてる医学」ですね。
多くのものを失ったとはいえ、一日に心臓は十万回動いている。水も酸素も太陽も無償で与えられ、医学的に見れば私たちは、「生かされてる」。この医学的事
実をもう一度みつめることが、心の安らぎにつながる。その上で、自分自身の中にある生命力と充実感を呼び起こすのが「丹田呼吸法」。すなわち腹筋で大きな
呼吸をすることで、頭をカラッポにして心と体の調和を導く。
これからまた寒くなる。きっと多くの人のお役に立てると思う。
メモ
「生かされてる医学」勉強会は次回、二十一日午後一時から兵庫県庁南の県民会館十階で。だれでも無料で参加でき、笹田道場長が心身医学の講演をして、呼吸
法の実習をする。会場に行けない人のために三十分の指導ビデオも無料配布。申し込みは郵送料三百九十円切手を同封し、656-13
兵庫県津名郡五色町都志大日707,五色県民健康村健康道場「生かされてる医学」係
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