◆子供ちゃん

(表面的な特徴)

 D(自由気ままな子供)もE(人の評価を気にする子供)も両方高いタイプです。子供ばかりでできていますので、「子供ちゃん」と呼びます。

  若い方では、今まで何度も申し上げたように、親の部分の成長ができにくい時代を生きていますので、、一見A(きびしい親)やB(優しい親)やC(合理性)があるように見える場合も、このタイプということが多いです。

  「不満さん」と「不安さん」を足したタイプですので、複雑になります。D(自由気ままな子供)が高いので、自分を主張したい。自分を発揮したい。そうしないと、生きている感じがしない。充実感を感じられない。しかし、E(人の評価を気にする子供)も高いので、人がどのように自分を見ているかが気になる。評価が悪くなると不安になる。

  D(自由気ままな子供)を出せば、目立つことだし、一歩間違えば我がままと非難される。良い評価がほしいという点からは、おとなしくしているのがいいのだが、それでは自分を感じられなくて欲求不満になる。しかし、自分を出せば、人の評価が気になり夜も寝られない。自分でどうして良いのか分からなくなるという性格です。


(対人・対自分関係)

  親の部分がないので、対人関係ははっきりしません。つまり、社会性ということはあまり理解できません。自分に対しては、あるときは、「わたしは正しい」だし、あるとはき「わたしは正しくない」です。不安が少ない環境、つまり家のなかだとか、友人の間では、「わたしが正しい」でしょうが、大勢の人のまえだとか、知らない所では不安が強く出るので、「わたしは正しくない」でしょう。


(自滅のシナリオ)

  なぜこのようなことが起こるのかは、何度もいっていますから。もう皆さんも理解していただいたでしょう。難しいことではありません。赤ちゃんはみんなD(自由気ままな子供)とE(人の評価を気にする子供)です。親がつきっきりで安心と満足を与えているので、不安や不満にならなくてすみます。

  親が不安定であれば、子供も不安と不満に陥るのは当然でしょう。たとえ親が不安定でも、社会がしっかりしていれば、子供はC(合理性)が発達しA(きびしい親)とB(優しい親)という社会を身につけて、自立できます。社会のなかで自分自身で、満足と安心を手に入れることができます。

  しかし、現在は極めて不安定な過渡期の時代です。人間を縛ってきた古い時代の価値観が滅びて、人間は自由になりましたが、新しい生き方や文化が形成できていません。新しい親のモデルがありません。

  このような親のモデルのない過渡期のなかでは、子供は大人にはなれません。一方、日本は物質的に豊かな国となり、子供のままでいても、そんなに生活に困らないように見えるという状況も加わって、大人になれない、なろうとしない現象が起きています。


(充実感テストとの関係)

  D(自由気ままな子供)とE(人の評価を気にする子供)の葛藤を生きているので、不安定です。環境がいい時には、ある程度「爽やかさん」でしょうが、すぐ不安定になり、「お天気さん」、「不快さん」、そして疲れ果てれば「無感動さん」でしょう。

  A(きびしい親)、B(優しい親)、C(合理性)が発達していれば、D(自由気ままな子供)は、「行け行けさん」のように、前進のエネルギーとなってよい面がでるでしょう。しかし、A.B.Cが未発達ですから、我がままを振り回しているだけとなることが多いでしょう。不快指数が高くなります。思うようにならないことの不満が過食の原因になります。

 また、A.B.Cがないので、E(自己防衛本能)が守られません。爽やか指数が低下します。この不安を紛らわせるために過食になります。不安からも不満からも過食になるので、このパターンの方は実に大変ですね。ります。

  紛らわしいのは、「子供ちゃん」でも性格分析のグラフを作ると、A.B.Cが結構ある場合です。一見するとたとえば次でお話しする「普通さん」ということもあります。しかし、「普通さん」であれば、「爽やかさん」が多いはずですが、「不快さん」や「無感動さん」になっていれば、本当は「子供ちゃん」だと見抜けます。


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