◆普通さん

(表面的な特徴)

  大体横ばいになっているタイプです。典型は、縦の短くなったM型か、B(優しい親)を頂上にしたならだかな山型です。

  このタイプの方は、適応抜群です。どこへ行っても、どのような人間関係のなかでも、苦労なく適応出来ます。このタイプを「普通さん」と申します。

  B(優しい親)が高く社交性があり温かい。D(自由気ままな子供)も高く、活発で生き生きしています。しかし、A(きびしい親)もC(合理性)もE(人の評価を気にする子供)も適当に高く、言うべきことも言い、合理性もあり、人の不安も理解できるので、社会適応は抜群です。


(対人・対自分関係)

  対人関係は、B(自分のための親切)の方が高いので、「あなたは正しい」です。自分との関係は、D(自由気ままな子供)の方が高いので、「わたしは正しい」です。

  「行け行けさん」と似通っていますが、「行け行けさん」はE(人の評価を気にする子供)が低すぎます。つまり、「絶対にわたしは正しい」ですから、人の不安を理解できません。「自分だけ爽やかさん」で周りの人からは嫌われることも多いでしょう。その点、「普通さん」はバランスが取れていて嫌われることは少ないはずです。


(自滅のシナリオ)

  「この性格が理想的!」と早合点をする方がおられるでしょうが、それは違います。長所は欠点であり、欠点は長所です。この点は後でももう一度お話しますが、本当の自分への気づきが遅れることが欠点で す。

  病気や老いや死にまで適応は出来ない。死ぬ前になって、ハッと我に返って、自分の人生は何だったのだろう。単に適合するだけで、本当の自分を生きたのだろうか、では困ります。

  そういう意味では、バラバラさんなどは決して悪くないですね。人間関係がうまく行かないので、毎日が気づきです。本当の自分を発見するに は、うまくいかないかたのほうが早いかもしれませんね。

  あるいは、病気や老いや死を目の前にして初めて挫折を経験することになります。その時、E(人の評価を気にする子供)が(不安)に、D(自由気ままな子供)が(不満)になます。初めて経験する不安と不満はパニックになります。そして、この不安と不満が過食の原因になります。

  つまり、「普通さん」のうまくいった人生は、自分の力で得たものというよりは、たまたま良い家庭、良い環境の賜物であったのでしょう。「普通さん」にも、自滅のシナリオはあったのだということです。


(充実感テストとの関係)

 「普通さん」は、社会適応抜群ですから「爽やかさん」です。「行け行けさん」と違って、自滅のシナリオが動きにくいので、長い年数「爽やかさん」でおれるかもしれません。しかし、浮世に生きている人間ですから、やがては壁に当たることになるでしょう。

 うまく生きれるのが当然だったので、壁には慣れていません。一挙に「不快さん」になり、過食で気を紛らわせるということになるでしょう。疲れ果てれば「無感動さん」になるでしょう。



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