◆不安さん
(表面的な特徴)
E(人の評価を気にする子供)だけが高いタイプです。これは子供の性格です。
本来、子供はE(自己防衛本能)とD(欲求充足本能)だけです。親が付きっ切りで、EとDを満たそうとします。やがてC(知性)が出てきて、A(きびしい親)とB(優しい親)という社会性を身に付けて社会の中で自立できるようになる。これが成長の過程です。
この成長の過程がうまく行かなくて、子供のまま大きくなった場合は大変です。E(人の評価を気にする子供)が高い場合は、不安だけです。集団生活のなかに入いっていけません。
人の評価がアイデンティティーですので、何かをしようとすれば、E(不安さん)特有の「あの人はどう思うだろう」、「失敗したらなんて思われるだろう?」と、何人もの顔が浮かび、誰の言葉を信じたらよいのか分からなくなります。
外から見ると単にぐずぐすしているだけのように見えますが、頭の中は、目まぐるしく多くの人の顔と言葉が交差しています。だから、行動ができないまです。
常に、不安に振り回されてどうしていいか分からなくなります。親の元にいなければ、不安ですから、外へ出て行けなくなります。学校へいけない。会社へいけないということが起こります。
(対人・対自分関係)
親の部分がほとんどないので、対人関係はありません。人や社会に対してどのように対応して良いか分かりません 親の部分は社会性ですから、社会性が育っていないということで、社会適応が困難になる当然でしょう。一方、自分に対しては、「わたしは間違っているのではないか?」、「わたし駄目なのではないか?」ということで、自信がもてません。
(自滅のシナリオ)
なぜこんなになったか、間違った育てられ方をしたのでしょうか?
確かにそれは原因の一つです。勉強が出来るからいい子だ。バイオリンが上手だからいい子だ。小学校、中学校まではうまくいった。しかし、高校は出来る子が集まってくるのでいつも一番とはいかない。もう、いい子ではいられない。それで学校へいけない子供もいます。親のほうに本当のB(優しさ、愛情)がなかったのですね。
この場合は、立ち直りは難しくありません。誤った価値観から自由になれれば良いのです。つまり、自分がダイヤモンドだということを理解出来れば良いのです。勉強が出来ても出来なくても、バイオリンが上手でも下手でも、そんなことは二の次だということが分かれば良いのです。むしろ大人のほうが重症です。
もっと大きくて深刻な原因は、先ほども言いましたが、現在の日本は親の部分が育ちにくい状態だということです。子供が、成長するためには、A(きびしい親)もB(優しい親)も両方要ります。親の見本がないのです。みんなバラバラの価値観で生きています。
このなかで、子供がしっかりした親の部分を身に着けて育つことが出来ないのは当然です。親の部分は防波堤ですから、社会のことや対人関係は、この親の部分で処理をします。だから、子供の部分が守れるのです。それがなければ子供の部分が裸になっています。社会や対人関係が、土足で心の中に入って来ます。これれは少しのことでも、ひどく心が傷ついてしまいます。
「クールさん」になれる方はまだましかもしれません。クールさんになれれば、傷つく心もクールに処理して凍結したり、乾燥させていますので、感じなくなり、その意味では楽になるかも知れません。しかし、クールさんにもなれなければ、どうして自分を守れば良いのでしょうか?
(充実感テストとの関係)
安心できる環境のときには、爽やか指数もある程度あるでしょうが、常に不安があるので、決して高くはならないでしょう。少し不安定になれば、爽やか指数が著しく低下し、疲れ果てれば「無感動さん」になるでしょう。この不安や充実感の喪失が、過食の原因になります。
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